被害者にも交通事故に関して一定の過失があると認められるケースにおいては、被害者が受領した社会保険給付等の利益(給付)についての損益相殺を、過失相殺の先に行うか後に行うか、という問題があります。
この点、多くの場合においては、過失相殺を先に行った上で、損益相殺を行うこととなります。
例えば、被害者が自賠責保険や任意保険から保険金を受領している場合には、過失相殺後の損害額から、左記保険金を損益相殺として控除することとなります。
しかし、国民年金、健康保険、厚生年金などの給付については、実務上、過失相殺をする前の損害額から損益相殺として控除し、その後に過失相殺をすることとなっています。
後者の場合の方が、被害者にとって有利なことになります。すなわち、仮に被害者が負った損害総額が1000万円、給付を受けた金額が300万円、被害者の過失が2割のケースでは、
となります。
労災保険給付に関しては、過失相殺を先に行うものと判断した最高裁判所の判例(最判平1.4.11)があるものの、実務上は未だ争いがあるところです。
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