素因とは、一般的に、「損害の発生や拡大に寄与する被害者が事故以前から有していた事情、要因」と定義されることが多いです。
素因減額についての判断の大枠は、過去の裁判例により一定の整理が付いた状況にはありますが、実際の場面においては、素因減額の適否については迷うことが多いと思います。
判断に迷った時には、素因減額の根拠である「損害の衡平の分担」という概念に立ち戻って頂くのが有用ではないかと思います。
この「損害の衡平」は、法的な概念ではありますが、平易な言葉を使えば、常識に照らして妥当かどうかということに過ぎませんので、あまり身構える必要は無いと思います。
そのうえで、受傷機転に比して、治療期間が長期化している場合、症状が重篤化している場合に、その過大と思われる賠償範囲を加害者にて負担するのが衡平なのか、被害者に負担してもらうのが衡平なのかを常識に照らして判断して頂ければ良いかと思います。
|一括払いの法的性質 ≫
当事務所で昨年に受任した交通事故事案の件数
1,000 件以上
※ 当サイトの弁護士が昨年に受任した交通事故に関するご依頼の総計です